学生必見!「複業」の時代ってなに?

 

みなさんは、「複業」という言葉を聞いたことはありますか?現代社会で浸透が進んでいる新しい働き方であり、これからも重要度が増すと予測されています。この記事では、複業に関する基礎知識を徹底的に解説。自由度が高い生き方に関心がある人は、ぜひチェックしてみてください。


複業とは「複数の仕事を受け持つこと」


複業とは、その名の通り、複数の仕事に取り組むことです。複数受け持つ仕事のどれかを指す言葉ではなく、仕事を掛け持ちしている状態のことを指します。「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立した2018年以降、日本国内で注目されるようになった考え方です。「副業」とは異なり、仕事にメイン・サブといった扱いの差を設けないことが特徴。スキルアップを狙いながら収入も増やせるので、多くの人から支持を集めています。
(参考資料:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html

ちなみに、パーソル総合研究所のデータによると、複数の仕事を掛け持ちしている人は、正社員全体の10.9%にのぼります。今後掛け持ちしてみたいと考えている人は41.0%という数値になっているため、これからもこの傾向は続くでしょう。この数値は複業・副業の両方の状態を含めていますが、全体的に「仕事を複数持つこと」に対するポジティブな印象が広まっていることは確かです。
(参考資料:https://rc.persol-group.co.jp/news/201902120001.html)


仕事に合わせて、組織に所属する考え方


複業を行う上で重要なのは、組織への所属のあり方です。かつて、仕事とはひとつの会社に所属し、そこで与えられた業務を遂行することでした。しかし、その考え方はもはや古くなってきているのかもしれません。複業の時代では、まずプロジェクトの存在が先行します。担当したいプロジェクトがあるからこそ、その仕事ができる組織に所属するのです。あくまで、やりたい仕事内容に合わせて、組織に身を置きます。

この働き方は、欧米で広く親しまれている「ジョブ型雇用」と類似しています。ジョブ型雇用とは、担当してもらう業務を明確に区切って人材を採用することです。日本は現在、従来のメンバーシップ型雇用から、少しずつジョブ型雇用へ移り変わっている傾向があります。複業の時代とは、会社に縛られる昔ながらの働き方からの卒業といえるかもしれません。
(参考資料:https://www.recruit.co.jp/newsroom/recruitcareer/news/20201203swo5j.pdf)


起業するのもひとつのアイデア


起業して自分の組織を作り上げることも、複業のひとつです。日本政策金融公庫総合研究所による調査では、起業家全体のうち、29歳以下という若い世代が20.7%を占めます。起業に、「まだ若すぎる」「経験を積んでからでないと成功しない」という考えは通用しません。やりたい仕事ができる組織が見つからなかったら、自分の手で会社を立ち上げることも大切です。複業の時代では、起業のハードルも以前より下がると思われます。
(参考資料:https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_210316_1.pdf)

なお、起業は才能がある人しかできないものではありません。自分がやりたいものと、社会から求められているものを掛け合わせた商品・サービスを商材にしていくことに、特別な才能は不要です。経営に関する勉強や準備をきちんと行えば、どんな人でも起業はできるでしょう。起業したいという強い気持ちがあるなら、若いうちから挑戦してみてください。


人脈や信頼関係を築きやすい働き方


複業を行うと、受け持つ仕事の数だけ職場や仲間が増えます。ひとつの会社のみに所属して働く人と比べて、たくさんの人間と密接な関係を持てるでしょう。ほかの職場で築いた人脈が、また別の職場で役立つこともあります。職場同士で人と人のつながりが広がることは、どの仕事にとってもプラスになるでしょう。深い信頼関係を構築しやすい働き方です。

これは、スキルアップの観点でも同じことがいえます。別の仕事で身につけたスキルが、また別の職場で活かされることもあります。仕事と仕事の結びつきが、さらに新たな仕事を呼んでくれることもあります。複業とは、仕事を通して自分の人脈や信頼関係、スキルなどを充実させてくれる働き方です。もっと自分自身の可能性を試してみたい人は、複業を選んでみてはいかがでしょうか。


まとめ


複業とは、仕事をひとつに絞らず、複数の仕事を受け持つ働き方です。組織に所属して仕事をするのではなく、仕事やプロジェクトに合わせて組織を選んでいくことがポイント。そして、自分の会社を起業するのも1つの選択肢です。大事なことは、自分自身のやりたい仕事ができるかどうか。自分の希望を叶えるために、働き方を変化させることでもあります。複業の時代とは、自由に生き方を選択できる新しい考え方だということです。人脈やスキルを充実させやすいというメリットもあるので、興味がある人はぜひ実行に移してみてください。